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健達ねっと>健康お役立ち記事>高齢者の病気>流動性知能は生まれつき?結晶性知能との違いや加齢による変化を徹底解説!

流動性知能は生まれつき?結晶性知能との違いや加齢による変化を徹底解説!

流動性知能とは、新しい場面に適応するための能力をいいます。
流動性知能は、生まれつきのものなのでしょうか?
流動性知能は、加齢によって変化するのでしょうか?

本記事では、流動性知能について以下の点を中心にご紹介します。

  • 流動性知能とは
  • 流動性知能と結晶性知能の違いとは
  • 流動性知能のピーク年齢とは
  • 流動性知能を鍛える方法とは

流動性知能について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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流動性知能とは

流動性知能とは、新しい場面に適応するための能力をいいます。
流動性知能は、新しい場面に遭遇した際に情報を整理し、処理する知能になります。

流動性知能|ピーク年齢

流動性知能は、18〜25歳頃がピークといわれています。
流動性知能の計算力や暗記力、集中力やIQ(知能指数)などは受検に大きく反映される能力になります。

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流動性知能と結晶性知能の違い

人間の知能は、流動性知能と結晶性知能の2つに大きく分けられます。
流動性知能と結晶性知能は、どのような違いがあるのでしょうか?
それぞれの知能について詳しく見てみましょう。

流動性知能

流動性知能は、新しい場面で適応する能力、つまり臨機応変に問題解決できる能力になります。
流動性知能には、計算力・暗記力・思考力・集中力・直観力などがあります。
流動性知能は、18〜25歳頃がピークで60〜65歳頃から低下していくといわれています。

結晶性知能

結晶性知能は、経験や学習などから得られる能力で言語力に強く依存する能力になります。
結晶性知能には、洞察力・理解力・批判力・創造力などがあります。
結晶性知能は、20歳以降から上昇し、60歳頃でピークを迎えます。

流動性知能の具体例

流動性知能には、計算力・暗記力・思考力・集中力・直観力の他にも

  • 図形処理能力
  • 処理スピードの速さや法則を見つける能力

などがあります。

流動性知能について、日常生活の中での具体例を見てみましょう。

  • 買い物をするときは、流動性知能の計算力がはたらく
  • 料理をするときは、流動性知能の思考力がはたらく
  • 車を運転するときは、流動性知能の集中力や直観力がはたらく

流動性知能|高齢者の知的能力

流動性知能は、若いときにピークとなり、年齢を重ねるにしたがって衰えていきます。
一方、結晶性知能は、年齢とともに経験を重ねることによって優れていきます。

年齢を重ねると、物忘れは多くなります。
しかし、流動性知能と結晶性知能を合わせると、若い世代には負けない能力になります。

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流動性知能|認知症

認知症とは、さまざまな原因により、知的機能や脳の処理能力が低下する状態をいいます。
認知症で最も多いのが、アルツハイマー型認知症になります。

アルツハイマー型認知症は、脳神経が変性し、脳の一部が委縮する過程で生じます。
アルツハイマー型認知症の根本治療は難しいといわれています。
しかし、薬物により進行を遅らせることはできます。

流動性知能に関わる前頭前野は、脳の他の領域をコントロールするはたらきがあります。
脳の前頭前野を鍛えることで、脳全体を活性化できる可能性があるといわれています。

脳の前頭前野を鍛えることは、認知症予防や改善への効果も期待できるといわれています。

薬の使い方

流動性知能|発達障害

発達障害は、脳の働き方が生まれつき違うことにより、幼いから情緒面・行動面に他の人と異なる状態で、学童期の3〜7%にみられます。
発達障害では、

  • 集中力に欠ける
  • 注意すべきことへの判断ができにくい
  • 忘れっぽい

などの特徴があります。

これらの発達障害の特徴は、流動性知能ともつながっています。

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疑問

流動性知能|遺伝

脳に一時的に記憶して、処理する能力のことをワーキングメモリといいます。
ワーキングメモリは、流動性知能の主要素となっています。

一卵性双生児を対象としたある研究では、

  • ワーキングメモリ容量の遺伝率は約50%である
  • 一般知能は生涯にわたって変化がない

という報告がされています。

しかし、個人の知能には教育がとても重要であるといわれています。
教育を受けることは、知能を含む幅広い認知機能を向上させます。
遺伝率が高い状況でも、知能が発達する過程での教育によるトレーニングは重要な役割を担っています。

環境を整えることで知能やワーキングメモリは、高めることができるといわれています。

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流動性知能が衰える原因

流動性知能が衰える原因には、どのようなことがあるのでしょうか?

流動性知能は、高齢になると低下していくといわれています。
流動性知能が衰える原因としては、

  • 家族や知人の死
  • 退職
  • 闘病

などが考えられます。

これらの原因は、結晶性知能の低下をも招きます。

流動性知能の低下を予防するためには、以下のような考え方が大切になります。

  • 若いころから他分野に興味を持つこと
  • できるだけ多くの人と関わる機会を持つこと
  • 困ったときには助けを求められるようになること
  • 過去にとらわれず、今を大切に生きること

流動性知能の低下を予防するために若いときから日々、思考を整えて生活しましょう。

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流動性知能の診断テスト

流動性知能を診断する方法はあるのでしょうか?
流動性知能を簡単に自己診断できる方法をご紹介しましょう。

下記の設問へ制限時間内に回答してみましょう。

  • Q1. 海の生き物の種類を1分でできるだけ多く書き出してください。
  • Q2. 4つの言葉を10秒間で覚えてください。りんご・さくら・バナナ・とけい
  • Q3. 100から7を3回引いてください。
  • Q4. 動物の種類を1分でできるだけ多く書き出してください。
  • Q5. 2で覚えた4つの言葉を30秒以内にいってください

上記の回答の特典を計算してみましょう。

  • Q1. 書き出した数×1点
  • Q3. スムーズに計算できた場合は3点
         少し考えながらの場合は2点
         計算出来なかった場合は0点
  • Q4. 書き出した数×1点
  • Q5. 答えられた言葉の数×10点

Q1〜Q5の合計点数を算出します。
合計点数を120から引いてください。
出た数字は、あなたの脳年齢になります。

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流動性知能を鍛えるトレーニング方法

流動性知能を鍛えることは、できるのでしょうか?

流動性知能の主要素にワーキングメモリがあります。
ワーキングメモリは、脳に一時的に記憶して、処理する能力のことをいいます。
ワーキングメモリは、脳の前頭前野が役割を担っています。

ワーキングメモリの容量は、とても少ないです。
ワーキングメモリは、覚えた直後の短期間のみ記憶しておくことができます。

物を取りに行ったのに、何を取りに行ったのか思い出せない状況は、ワーキングメモリの低下と考えられます。

流動性知能の主要素ワーキングメモリは、鍛えることができます。
ワーキングメモリを鍛えるトレーニング方法について詳しく見てみましょう。

ポジティブ思考を持つ

流動性知能の主要素ワーキングメモリを鍛える方法の1つ目は、ポジティブ思考です。

ある研究結果の報告を見てみましょう。

  • 幸福度が高い方ほど、吻側前部帯状回の体積が大きい
  • 好きな物が得られ、幸せな気持ちを感じると吻側前部帯状回が活性化する
  • 吻側前部帯状回の体積が大きいほど、ポジティブ思考でいるときの吻側前部帯状回の活性化の程度が高い

などの報告がされています。

ポジティブ思考で活性化する脳の領域は、ワーキングメモリで活動する脳の領域の一部になります。
ポジティブ思考でいることは、流動性知能の向上につながります。

イメージを思い描く

流動性知能の主要素ワーキングメモリを鍛える方法の2つ目は、想像力です。

読書で情景を思い描いたり、ラジオドラマで登場人物を思い描くことで想像力が鍛えられます。

想像力を鍛えることは、流動性知能の向上につながります。

二重課題に取り組む

流動性知能の主要素ワーキングメモリを鍛える方法の3つ目は、二重課題に取り組むことです。
一度に2つのことを同時に行いましょう。
たとえば、

  • 朝食を摂りながら、1日の予定を考える
  • 買い物をしながら、料金を計算する

など同時に2つのことを行うことで脳が活性化されます。

二重課題に取り組み、脳を活性化させることは、流動性知能の向上につながります。

前頭前野を活性化させる

流動性知能の主要素ワーキングメモリを鍛える方法の4つ目は、前頭前野を活性化させることです。

ワーキングメモリの領域がある前頭前野を活性化させることは、同時に鍛えることにもなります。
前頭前野を活性化させる方法には、

  • 短い文章を暗記し、頭の中で反復する
  • 音楽鑑賞しながら、情景をイメージする

などがあります。

ワーキングメモリの解放

流動性知能の主要素ワーキングメモリを鍛える方法の5つ目は、ワーキングメモリの解放です。

ワーキングメモリには、容量があります。
ワーキングメモリを鍛え続けてばかりでは、脳が疲労し、処理できなくなってしまいます。

適宜、手帳やカレンダーなどに書き込み、脳を休めることも心がけましょう。

流動性知能のまとめ

ここまで流動性知能についてお伝えしてきました。
流動性知能についての要点を以下にまとめます。

  • 流動性知能とは、新しい場面で適応するための能力をいう
  • 結晶性知能は、流動性知能とは異なり、経験などで得られる能力である
  • 流動性知能のピーク年齢は、18~25歳頃である
  • 流動性知能を鍛える方法には、ポジティブ思考、二重課題に取り組むなどがある

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
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